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『浮世絵名品展』 in 名古屋ボストン美術館
ボストン美術館に収蔵される5万点もの浮世絵版画のなかから厳選された版画132点、肉筆5点、下絵画稿類12点、版本10点 が出品されている。その多くが日本初公開である。
第1部 “浮世絵初期の大家たち” では初期浮世絵版画を紹介している。
初期浮世絵版画の時代は、墨一色の墨摺り絵からはじまり、主に酸化鉛である赤色「丹」を用いた筆彩版画の丹絵、植物性の赤色「紅」を用いた紅絵、膠分の多い墨や雲母を効果に用いた漆絵を経て、数色の色板を用いて摺刷される紅摺絵の、およそ1760年代頃までの江戸の浮世絵界を指す。
元来、浮世(現実社会)を題材とする世俗画は、16世紀初頭頃から京都を中心に肉筆画で確立された。それが、 1657年(明暦3)に江戸本郷で発生した明暦の大火以後、急速な復興の中で、それまでの上方文化依存から江戸独自の文化が芽生えてゆきます。この頃、「浮世絵の祖」といわれる菱川師宣が登場し、以後、江戸の浮世絵は連綿と華やかな歴史を展開させてゆく。
第2部 “春信様式の時代” では浮世絵創始期の第一人者である鈴木春信が紹介されている。
春信の情緒的で楚々とした美人図は、まるで錦のように美しい画面で江戸の人々を驚かせた。彼が活躍したのはわずか4年ほどでしたが、その影響は多大で、安永年間(177~81)頃まで多くの私淑者が輩出している。
第3部 “錦絵黄金時代”
天明(1781~89)から寛政年間(1789~1802)になると、春信の影響から脱した絵師たちが、個性的な画風を展開しはじめる。役者絵や美人画は大型化し、色彩・構図ともに斬新な作品が生まれ、庶民の人気もさらに高まる。また、版元にも蔦屋重三郎(1750~79)といった傑物が活躍し、新たな絵師の発掘を行うなど、一層の活況を呈す。まさしく錦絵の黄金時代と呼ぶにふさわしいこの時期には、健康美あふれる美人画を書いた鳥居清長、女性の上半身だけ描く大首絵で美人画の一時代を築いた喜多川歌麿、役者絵の代表絵師東洲斎写楽ら、優れた絵師が活躍した。
第4部 “幕末のビックネーム” では、風景画や花鳥画の新境地を開拓した葛飾北斎や歌川派と呼ばれた歌川広重や歌川国政の作品を紹介している。
江戸時代後期には、美人画や役者絵などの伝統的な主題に加え、風景画や花鳥画の新境地が開かれた。文化年間(1804~18)ごろから明治維新(1868)直前頃までの浮世絵界は、勝川春章門から出た葛飾北斎が、一大画閥を形成し、自らも70年にわたり個性豊かな作画活動を展開した。一方で、北斎と同時期に幅広い分野に進出し、北斎没後は絶大な勢力をもって浮世絵界を独占したのは歌川派だ。風景画の第一人者の歌川広重、役者大首絵の天才といわれた国政、とくに役者絵と美人画に長じ、生涯に成した作品量は随一といわれる国貞、武者絵をはじめ幅広い芸術性がうかがえる国芳など、世界的に著名な絵師たちが活躍した。
以上のように、本展では初期浮世絵版画の誕生から幕末までの浮世絵を通して見ることができ、浮世絵の世界を通して江戸の文化を感じ取ることができる素晴らしい展覧会になっている。
(参照:ボストン美術館浮世絵名品展 公式HP)
会期: 2008年1月2日(水)-4月6日(日)
開館時間: 平日:午前10時~午後7時
土・日・祝・休日:午前10時~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)
入館料金 :一般 1,200円〔1,000円〕、シルバー・学生 900円〔700円〕、中学生以下無料
お問い合せ先 :名古屋ボストン美術館
〒460-0023 名古屋市中区金山町1-1-1
TEL052-684-0101、FAX052-684-0738
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